「ものとおん」#7−#9/リーフレイン
 
祭の生贄
磨かれていない石英が砂山に混じって光る
記憶の断片を次々と結晶化させて 雲のハンマーで砕いた







#8 
   常夜灯に燕の巣  


雨あがりの夕暮れ むんっと沸き立つ足の跡

月が痘痕顔晒してほくそ笑み

蚊のなまぬるい羽音がえんえんと

鳴き枯れた咽喉に 髭しおたれて 

腹満たす猫飯待つとも

主帰らず

主帰らず



常夜灯に燕の巣 寄り来る夜虫の群れを見る




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーp区切り
#9
    施餓鬼


黄ばんで細かい
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