夏/はじめ
と砂浜に吹っ飛んだ
海からは熱い波がザァーと力強く押し寄せてきて 顔を上げると引いていった
ゴムサンダルを脱いで砂浜に大の字になっていると 青く涼しそうな空が目に入って 君のことを再び思い出した 元気にしてるだろうか
起き上がって堤防によしかかっていると 漁師風のお爺さんがゴミ拾いをしていた 海は汚なかった 傍まで行ってみると温かった とても泳げるもんじゃない
真夏で海水浴場なのに人は一人もいなかった でもかき氷屋は賑わっていて 僕もなけなしの金でかき氷を買った
かき氷を食うと少し涼しくなった 再び大の字で寝ていると空の輪郭が細かく逆立っている雲が君のことをまた思い出させた 君
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