「鳥の歌」原田将を読んで/生田 稔
 
★手をかざさしても月は昇るから、また歩きなさい
傘がないときは、雨にふるえなさい
誰も知らない愛に気づいたときは
  目を閉じなさい

「鳥の歌」の巻頭はこの詩句で始まる「星屑と花束と人々を」という詩である。
Humanity, sympathy , condolence 等の単語を並べてみると、この詩のモチーフをやや表しているかも知れぬ。
若い!本当に若い。僕らにはもうこんな内容のシンプルでスムーズなこんな詩は書けない。
それだけ、厭なことや無法なことをして魂を傷つけてしまったからだ。
 この詩は最後に、愛する全ての存在へ、と呼びかけて主題の言葉の方向を示す。

★夜の
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