「鳥の歌」原田将を読んで/生田 稔
 
夜の夢こそまこと

 僕は一人、今日も逃げるように空高く舞い
 好きなだけうたってる
   鳥のように
 
夢の中、それが本当なのだから、起きている内はそのための準備なのかも知れず、人は眠りにおちたときが、死の眠りのように一日の総決算なのだ。
 私の家内は毎晩楽園の夢を見る。起きると僕に話してくれる。「たのし、楽しかったわ貴男もそばにいたのよ・・」と教えてくれる。それをきいて、僕は安心し喜んで朝の食事を作ってやり、彼女の着替えを手伝ってやって、「いってらしゃい」と彼女は看護師の勤務へ出てゆく。いや個人的な話になったが、この四番目の詩はこんな感想を僕に持たせてくれた。  これ以上批評すまい、心ある人はこの詩集を読まれればよい。
 近所のスーパーに注文したこの詩集、買ってすぐスーパーの休憩所で読み通し。そしてそれから病院へ薬をとりに行って、往復一時間。そして昼前にそのスーパーに舞い戻って、同じところでもう一回読んだ。楽しかった。詩を書けばそれを読んでくれる人がひっようなのは言うまでも無い。詩とはそういうものである

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