オオカミの女の子/リヅ
 
あの娘は今日も眠ってる
きっと素敵な夢見てる


山小屋にオオカミの女の子が独りきりで住んでいました
友達はいません 山奥なので誰も訪ねてきません
だからいつも一人で遊びます
空想遊びが一番得意で、好きでした
晴れた日は空を見上げながら
雨の日は窓辺の椅子に腰掛けて
町ではあたしはみんなの人気者で
たくさんの友達に囲まれて
休日には誰もが羨む素敵な恋人とウィンドウショッピングをする
町へ出ればすべてが変わる
オオカミの女の子はそう信じていました


午後四時半のドトールで
目の前のあの娘は目を開けてはいるけれど
きっとあたしの声は届いてない
あの娘はぼ
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