希望と絶望あるいは孔子曰く巧言令色仁希し/構造
 
り子供があそんだりしている。まあPR用のカードなんだからそういうものだ。
つまりは平凡な人間が考え得る理想というのは大抵が懐古的かつ家庭
的なものである。現実を徹底的に改革したような未来の姿などはうつしようが
ないし、そういうものは大抵SF作家あたりからの受け売りだ。なぜ懐古的に
なっていくのかといえば希望というのは現実からの要請にすぎないからだ。

当然、目標は違えども、その懐古的かつ家庭的な理想というものをキリストが
生まれる五百年前に実現しようとした人間が中国にいる。孔子さんである。
彼が理想としたのは春秋戦国前の周の時代だったから、当然のことながら
身分制度は厳正であって
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