ヨルムンガンド(無限との対話)/下門鮎子
ゃないのがこの世界
その口から尾を離せ、
この世のものではないその姿が
ここでは何と呼ばれるか知っているの?
わたしに聞いても無駄
知っているならとうにその名を呼んで
あなたの存在を暴いている。
するとあなたは霧と消える、
そうして、わたしも
ひとつ消える。
なるほど、いつも相撃ちなのだ、
『あなた』を倒しているときは――
あなたの姿は
神がこの世に忍び込んだもの。
そうね、死ともいう。
死には姿などない。
わたしは後に生まれた者。
光が死んでわたしは目覚めた
口から尾が離れていった、
それは神々の黄昏の幕開けとなった。
わたしは雷神と相
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)