【小説】昼間の会話、神の存在/なかがわひろか
 
てるって信じられてる。」僕が言うと、「あんたたちと同じさ。死ねばまた生まれて、そしてまた死ぬ。」確かにそうだった。つまり・・・男は僕等となんら変わらない。
 「時々天変地異だとか言って、地震やら竜巻やらなんやらが起こるだろ?あれだって俺の仕業じゃねぇ。神って言ってもな、なんでもできる訳じゃあない。それどころかむしろできないことの方がはるかに多いのさ。」
 タバコいいか。男はそう言って僕に手を差し出す。
 僕は念のため男の手のひらをじっと見つめる。
 多くの人がそうであるように彼の指は五本しかなくて(しかというのは、なんとなく・・・神様って多そうな気がしないか?)手のひらには生命線だ
[次のページ]
戻る   Point(5)