口誦さむべき一篇の詩とは何か/んなこたーない
。
またこの詩は文明批判であり、なおかつ抒情詩であるというふたつの側面を持っています。
しかしこの抒情も、おおくの抒情詩人、つまり不明瞭で曖昧な情緒にもたれて言葉を感覚的もてあそんでいるような詩人とは
性質を大きく異にしているよう思われます。この違いをまた別の面から見てみると、
それは言葉に対する態度の相違ということにもなりそうです。
すなわち、この詩人は言葉に対して、ある種の潔癖さを持っているのではないか。
不信とまでは言わなくても、常にある境界線を保っていて、言葉のなかに惑溺することを
強く拒絶しているのではないかと思われてくるのです。
言語に対してmaterialisticな
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