口誦さむべき一篇の詩とは何か/んなこたーない
 
cな抒情詩人、こういった特異なジャンルを可能にするのは、
やはり高度にテクニカルな詩作法ではないのかと、ぼくは考えます。
最後にもうひとつ、「決断」と同じように非常にサティカルな手法を持って書かれた詩を引用したいと思います。


つねに現代は現代の後半である
昨日まであった場所を発見できない今日の世界地図
…結果がどれほど悲惨なものであっても
その歴史の第一ページで真相を談ったことがない その
歴史は むろん 最終ページでも何も談らない

絶大な拍手

各人に所属する個別の地平線

圧倒的な拍手

「無数の太陽のなかの最も明るい太陽はどこにあるのか?」
解答は電話ボックスのオームのような声でくりかえされる
「番号をよくしらべておかけください」

                        絶大な拍手

野田理一「楽園」



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