批評という暴力的愛情表現/佐々宝砂
 
なのだ。

しかし、いくら動機が愛だとしても、摩擦は避けにくい。「詩という分野に対する愛情」を表現しようとして、結果として酷評になることがある。「詩という分野」の全体的向上を願って、添削的なセンセーぶった批評を書いてしまうこともある。場合によっては「あるひとつの詩サイト」への愛情ゆえに、なんだかひんまがった優しいのか厳しいのかわからん文章を書いてしまうこともあり、そんなものが原因でブチ切れてしまった苦い過去が私にはある。しかし私はもうそういうことをしないだろう。私はいま、「あるひとつの詩サイト」に対する激しい愛情など持っていないから。

また、あるひとつの作品への複雑な愛情を表現しようと努
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