【小説】非習慣的な夜/なかがわひろか
った。顔も悪くない。悪くないだって。君だって見たらびっくりするよ。だって彼女はとっても美人だからさ。何が言いたいって、つまり僕らの世代には同じ様な時代を生きてきたにもかかわらず、彼女のように誰もが理想にするような生き方を特に何の問題も抱えずに送っている人もいるんだ。え、そんな人はいつの時代にもいるだって?うん、そういえばそうだね。70年代にもそういった人たちはいた。それは認めるよ。ただ今の時代に、そんなまっとうな人間らしい生き方をしている人が僕の周りにもいるってことを一応伝えておきたかったんだ。ちなみに僕は何度か自分の自慰行為に彼女をゲストとして招いたことはある。それは白状しておこう。でも誰だって
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