寝物語/美砂
山の上にのぼると、
UFOと交信できる用意がしてあって、
交信に成功すると
選ばれた人はこれ以上ないほど幸せそうな顔をして
もしかしたらこの地球にかえってくることなんてできないかもしれないのに
なんの不安もなさそうに
荷物ひとつもたないで
UFOに吸い込まれていって、
そのまま宇宙に出発したのだという、
僕はそのUFOについてもっとくわしくしりたかったのだけれど、
どんなの? どのくらい大きいの? ときくと
お母さんは
「どれくらいっていわれても、とにかく大きかったけど。
もう忘れたわ、ああ、もう遅いし、寝なよ」
などと適当なことをいって、ベッドからすべりおりて部屋から
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