空/はじめ
 
は子供だったから漠然とし過ぎたイメージを想像することができずにその熱い液状を心に秘めたまま眠れないストレスを感じた夜を過ごしていた
 僕の唯一の信頼するものは時間だけだった それだけが子供過ぎた僕をじっくりと熟成させていったのである しかし時計を見るのも針の音も怖くてその存在だけを好んでいた 今思うとそう思った
 そんな僕も時間と共に大きく成長し こうやって詩を書くようになった 今なら誰にも何も思われずに詩を書くことができるだろう あの閉鎖的で窮屈な世界は宇宙のように成長し広がった 僕はあの頃の世界が懐かしい 大人になって傷を沢山作ったせいか低くて狭い世界に無理矢理体を押し込んで心を癒したいと
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