スーパー壬生寺/カンチェルスキス
女はその日の夜七時から始まる市民ホールのスーパー寄席を見に行くことになっていた。一緒に行くために訪ねてきたお友達が家のインタフォンを鳴らした。スーパー寄席が始まるまで市民ホール近くの和菓子屋さんでお茶をするのだ。
立ち上がった瞬間に、彼女は細長い蛍光灯みたいに伸長してたピンポンを踏み潰してしまった。まあ、つまり、ピンポン球は羽を伸ばしていた。どこに羽があるのかわからない。ただ、リラックスしていたのだ。
「寄席は常にスーパーよ。NO REASON スーパー寄席」
彼女の口癖だった。知られざる一面になるんだろう。また、こんなことも言っている。
「ピンポン寄席なんてないでしょ」
消防職員
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)