暖冬の夕方の夢/はじめ
 
売店で瓶に入った牛乳を飲んだせいだ 微かにアイロンがけしたブラウスの焼けた匂いとおでんの匂いが漂ってくる と思ったらサーモンのシルクのブラウスを着た婦人とおでん屋がいた 僕はその婦人に挨拶するとごきげんよう と婦人は返してくれた 他の店屋は全部閉まっているのにおでん屋だけはまだ店を開いていた 僕はまだ汽車も来そうにありませんし 一緒におでんでもいかがですか? と尋ねてみた すると婦人はいいですよご一緒しましょうと返してくれた
 婦人とおでんを食べながら汽車を待っていた僕はついつい酒までも飲んでしまった 自分で運転するわけでもないしいいだろうと思っていた 婦人はブラウスの上に高級そうな毛皮のコート
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