暖冬の夕方の夢/はじめ
ートを着ていた バランスがあまりいいいとは思えなかった 話を聞けば婦人はお金持ちの貴婦人らしかった おでん屋の兎のおじさんはもうすぐ来る頃だよ と言っておまけに僕と婦人に卵を一個ずつくれた
あつあつの卵を頬張りながら僕は貴婦人と汽車がやって来るのを待った すると空の向こうからシュシュシュシュシュシュシュ…ポー!!! と音がして目を懲らしてみると流星色の汽車が星屑を煙突から噴き出しライトを灯してやって来た レールに降りると僅かに走り やがて止まるとプシュー!!! と星屑を車輪の間から出して完全に止まると乗っていた車掌さん達が入口のドアを一つずつ開けていった 僕と貴婦人は汽車に乗り込んで向かい合わせに座った 席に座ると僕はやけに落ち着いて だんだん眠たくなって来た 次に気が付いた時には夢から醒めていた 時刻を見ると午後7時35分を過ぎた頃だった 明かりのつけていない僕の部屋は暗くブラウスがクローゼットにぼんやりと浮かんでいた 僕は空腹を感じおでんの強い匂いのする一階へと降りていった 今日眠る時にはあの夢の続きが見られたらいいな
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