恋のラヴ・ソング/はじめ
 
スを待っている 僕はいつも好きな子よりも先に停留所に着いていた そして角を曲がって彼女がやって来た時いつも心臓がバクバクと鳴っていたのだ 彼女は何人にも告白されて振っていた子で 僕にはよく分からない子だった しかしそういう所が僕には好きだったみたいで 吹奏楽部の友人達によく彼女への気持ちを語っていた
 とてつもなく寒くて雪が激しく降った日も 真っ暗で明かりを頼りにして停留所まで来なきゃいけない日も その両方が合わさって最悪な日も 何にも無い日も 僕は彼女より先に停留所に着いて彼女を待っていた
 学校生活の中でも 部活の練習の時も 僕と彼女はほとんど喋らなかった 原因は僕が無口だった為だ 先に停
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