夢の友人/はじめ
 
だけが唯一の拠り所なのだ 早く起きて仕事をして遅く帰ってきて早く寝る なかなか夢の友人には会えない 沢山頭を下げて 沢山夢を見る だが夢の外の世界の歪んだ現実感溢れる虚像の夢しか見れない けばけばしいネオンサインが僕の精神を狂わせる 僕は体に染み込んだ様々な雑踏や騒音や眼球にこびり付いた光を引き摺りながら 布団に倒れて心臓を宥め深呼吸をしながら眠りに落ちる 僕は久しぶりに夢の友人に会った
 友人は少し疲れた顔をしていた 「久しぶり」と声をかけてくれただけで後は何も言ってはくれなかった 僕は非常に疲れた暗い顔で 友人の横に座った
 僕から話をしようと思ったが 上手く言葉を出せなかった しばらく穏
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