『ふたりごと』を聴いて思い出すいつかの記憶と夢/はじめ
妙にマッチして車の流れなんてちっぽけに見える 僕はよく手すりによしかかって夜になるまでその光景を眺めていた 夜は星が大河に沈むと辺りは真っ暗になる 人々は大騒ぎをする そんな時はちょっとしたお祭り気分で 僕はニコニコしながら家に帰ったものだ
回想を終えると僕は置き時計を見て可哀想になって電池を入れ直した 置き時計は電池を抜いた時間から正確に動き出した 今何時か全く分からない 僕は世界の進む早さに遅れているような気がした 正確に時を進む布団 遅れている僕と合わせてくれる『ふたりごと』 遅れているのにも関わらず平然と時を打つ置き時計 僕は置き時計の時間に自分を合わせようとした それは不思議な感覚
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