道中脱落/秋也
 
ここら辺一人で当分うろつくの」
「わかんない」
「最後にお願いする」
「え、何」
「僕ともう少し手繋いで、一緒に歩いてくれませんか、お願いします」
「ごめん、ほんとごめん、ほんと」
「ああ、もうわかった、とりあえず泣くのやめな、治まるまでは一緒にいるから、それぐらいいいでしょ」
「ありがとう」
雲が流れる、道先が霞む、蜃気楼
「ねえ、なんで僕と歩きたかったの」
「すごい景色みれると思ったから」
「みれたじゃん、これからも終わりまでずっと一緒にみれるんだよ」
「でも、俺はここまでなんだ、そういうのわかるんだ」
「わかった、泣きやんだね、僕は悪いけど先いく、いった先で他のだれ
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