グリーンピースミートゲティ/カンチェルスキス
 
ときは何をやっても骨折りになることが多い。例えば、二日酔いで寝込んでたりする朝、ふとんの上に起き上がって金属バットで素振りする。甲子園に出場できなかったことを死ぬほど後悔する瞬間だ。ちなみに、おれはちょっとした出来心部だったので、野球のほうはさっぱり。むしろ、得意なのは、机に散らかった消しゴムのカスどもを緑の半透明の下敷きをあおいで飛ばすことだった。目に入ったって怒るやつも出てくるぐらい強烈な飛ばし技を披露した。あの頃は若かったし、何でもうまくいってた。街を歩けば女どもが団子になって寄ってきた。からみつく足や手をほどくのに通学バスを46本ぐらい乗りすごしたこともある。朝出たのに学校に着くのは、深夜
[次のページ]
戻る   Point(4)