3月の不動産屋に紹介された部屋の日溜まりと外の風景/はじめ
し屋に頼んだのだ) 僕は 布団ぐらい自分で持ってくれば良かったなと思いながら横向きになって眠ろうとした
すると屋根を伝って落ちてきた水滴が僕の眠りを妨げた 起きて外を見てみると 僕の知らない街が斜面に沿って数え切れないぐらい立ち並んでいた 僕はその光景に一瞬にして心洗われた 米粒みたいな家の一軒一軒が今にも動きだそうとしていて 海まで続いていた 白い太陽が眩しかった
僕はこの街で新たにやっていけるのかどうか考えてみた 窓から見たあの光景が脳裏に焼き付いていて 再び日溜まりに寝転がった僕はしばらくの間眠れなかった 微かな頭痛があった 僕はいつしか眠りについた
気が付くと僕は暗闇の中に浸さ
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