ヒューム「ベルグソンの芸術論」(3)/藤原 実
である。」
(T.E.ヒューム「燃えがら ― 新しき世界」/『ヒューマニズムと芸術の哲学』[訳]長谷川鑛平)
}
世界を有機的な精神を持つ「ひとつ」のもの、湧き出てくる泉のような「深さ」を持つもの、としてとらえようとするロマン主義的言語観はモダニストにとっては討ち果たすべき権威です。
「意味するもの」に対する「意味されるもの」、「主語」に対する「述語」、「問い」に対する「答え」など、これらが結びついてこそ人はその世界を立体的なものとして把握し、その「深さ」に沈み込むことで自らの重みを感じ、アイデンティティを得たような気になれるのです。
そのような遠近法を破壊することでモ
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(2)