世紀末[小説]/村木正成
 
絶対に忘れる。そういうことになっているんだ」
「きみもぼくのことをわすれるのかい?」
「多分ね。そういうことになっているんだ」
「きみは悲しくないの?」
「君たちの言うその悲しみというヤツはすこしは理解したつもりだけど・・・これはサダメなんだよ」
「さだめ?」
「こういうふうに仕組まれているんだよ。君が生まれたのも、君が僕と出会ったのも、もちろん僕が地球に来たこともだよ」
「えっ?」
「地球の誕生したことだってそうだよ。はじめから仕組まれたことなんだ。僕たちは地球が生まれるまえから存在している」
「えっ?」
「地球が誕生したことは僕たちが仕組んだことなんだよ。」
「どうしてそ
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