シ産/カンチェルスキス
わたしの存在を証明してと懇願し
スカートのパンティの中に手を入れた
冷たいんだあのダッチワイフの指先が冷たいんだ
落下したダッチワイフがひとりでに歩き出して恋人同士になり家族を形成し広場を覆い尽くすブレーキが壊れた増殖・問うことはなく受け入れる
計算できないところを歩かされ既知のものとして死んでいて
無意識でもう一度死んでる 生きることはない
おれは一人だけ背広姿でアトラクションに並んでる中年男の首周りと背中の汗を思う
案内所の階段に座って中学生のガキがタバコをふかしむせた初デートで彼女は隣ソースの垂れないサンドウィッチをつかんで口に入れる
青空、反転
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