シ産/カンチェルスキス
ことには変わらない色褪せた世界を色を失いながら芝生の広場に
ビニールシートを敷いてクーラーボックスから缶ビールを取り出し足元につぶれた缶ビールがいくつも転がってるプラスティック容器のまずい弁当を半分残し
葉の生い茂る木 日の光割れて輝く
朝は寒かったから少し厚着してたグレイのジャケットはまるで清潔な首吊り自殺体みたいに吊るされて
その向こうの木にはまるで詩の次の連のように
違う人物の上着がぶら下がり待ち構えていて
太陽に焦がされるのを待ち望んでいる
ブランコを思い切りこぐ少女はそのまま命を投げる投げたい受け止めてくれる人がいなきゃつぶれますつぶれたところに唾を吐いてわた
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