故郷の回想/はじめ
 
は時間があると必ず意思を通わせ結んで あの暗い夜の良い全身から香りのする森の中を歩いていく 君はその時生きている 死者をイメージするような退紅のおかっぱで横髪を小さな可愛らしい耳にかけていない 生を彷彿とさせるような真っ黒いストレートな髪で 自分で作ったドレスじゃなく自然の神が雨露を閉じ込めて紡いだ糸で作った純白な半袖のワンピースを着こなして
 僕と君は笑って手を握って歩いていく そこにはキラキラと光る昔の言い伝えに流れ星が落ちたという湖がある 僕が昔この森で迷って辿り着いてお詫びに亀を逃がした湖だ そこでは巨大に成長した僕のものだった亀が精霊や妖精達と暮らしている 亀の『カーメ』はいつの間にか
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