大道の宵/板谷みきょう
、欧州は文化の中心地フランスはパリィの、学識豊かな経験者に因る調査が行われたのでございます。調査の結果はと申しますと、こけおどしのまやかしであると出たから、さぁ大変。おかげて、メスメルなる医学者は詐欺師、山師へと追いやられてしまったのでございます。時は変わって19世紀、米国は精神分析の父とまで崇められているフロイトの弟子の一人。ユダヤ人の医学者ライヒと申す者が時を越えて、再び『生命エネルギー』を科学的に発見したと名乗り出たのでございます。何と今度は、宇宙に満たされるそのエネルギーを『オルゴン・エネルギー』と命名致しまして、『オルゴン集積器』という装置まで発明し、病いはエネルギーの流れの澱みから来る
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