愛のない便り/板谷みきょう
 

抱き締めてあげるから、何も言わなくても良いわ
映画のラストシーンみたいには、うまく行かないものなのよ



愛のない便りが届く。



優しさまでがボクを苦しめ、いつの間にか時だけが過ぎていた。


もう悲しめる事はしないから。月明かりだけを頼りに、思い出に凍えて部屋の明かり見上げていた。人込みに揺られながら、思いのままに生きられるのならと、全てを投げ捨てた。こんな気持ちを、君は笑っていたはずなのに。



愛のない便りが届く。



似た者同志で堂々巡り
愛と友情に悩み続けた
こともあったのよ


愛のない便りが届く。



見えない明
[次のページ]
戻る   Point(1)