魚売り/板谷みきょう
パタパタ)
背ビレ有るでしょ、
(背中に手でヒレを描く)
尾ビレが有るでしょう。
(尻から手を大きく延ばす)
ホラ、やっぱり。ココ、ここんとこ。
(太腿を手で叩き)
魚には、足は無いの。歩いてどこかへ行くはずがないじゃないの。とすると…、
(暫く考え込み)
はは〜ん。そうか、野良猫の仕業だな。俺が、魚を届けに行った隙に、こうやって猫がやって来て、
(猫のゆっくり歩く仕草)
桶の蓋を取って、こうして魚を両手で全部抱えて…。
(魚を一匹づつ取り上げ抱き抱える…が、その抱えた魚をすぐさま投げ捨て)
猫がそんな事出来るはずが無いじゃない!
ウ〜ン、するってぇと…
(再び暫く考
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