明日に最も近い夢/玉兎
のすき間をぬって、私に「今日」という日の再来を告げた。
リビングへ行くと、とうさまはうなだれたまま首だけを私の方へ向けた。
まるでとうさまだけが、「昨日」に取り残されてしまった様だった。
瞳の輝きを失い、とうさまは別人のようになった。
そしてとうさまは、私に「言葉」を残した。
「何もなくて、疲れ果てても、そこに立ってる自分を忘れてはならない」と。
そのうち、窓辺にはゆりかごがもうひとつ増えた。
窓辺からは今日も心地よい風が吹いている。
そこから見渡す草原もさらさらと流れている。
とうさまとかあさまは並んでゆりかごに座っている。
そして私は妹を連れて「家」を出た
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