明日に最も近い夢/玉兎
ける。
それは
絶望と希望を知っていて
時に私たちを脅かす
それに対抗できるのは
自分の中の希望を信じること。
そして最後にとうさまは、私に聞こえない位の声でこう言った。
「とうさんは、今だに逃げ続け、かあさんは、もうずいぶん昔に掴まってしまった」、と。
うるさい位の虫の声と草いきれのする夜に長いシルエットの人は私の家に訪ねてきた。
とうさまは、長い間その長いシルエットの人と話をしていた。
とうさまの大きな声と虫の声は夢の中まで追いかけてきたけど、
何を話しているのか分からないまま眠ってしまった。
まぶしい朝日が部屋のカーテンのす
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