昨/葉leaf
 
よがせていた。糸者の儀式は見てはいけないことになっているから、僕は来た道を引き返した。糸者の姿は僕の記憶の水に濡れて、鮮やかさを増し、そこへ向かって透き通った感情の束が押し寄せた。僕は杉の木を見上げて、杉の高さの中に糸者を隠した。僕は自分を守ったのであった。

       せりつもる
      業酒をしびると
    ながさけるのがうむって
 弁じょう         洋ぎゅう
         じ

実家に戻ると、母が父に変わっていて、父は母に変わっていた。しばし行われるこの交代の原因は分からない。僕は父(母)を手伝って、蔵から米を出した。父(母)の姿や動き、言葉の中に、母の
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