昨/葉leaf
 
母の名残を見つけ出そうとしたが、父(母)は完璧に父になっていて、つけ入る隙がない。交代に際して父母の間に流れたもの、流れなかったもの、それらの匂いの開かれについて、僕の思料は置き忘れられた。

               さいあすだ
              ろうてんに
           うおりこむ
    す沼って

業酒をしびって目を閉じると、いつもまぶたの裏で色鮮やかな物語が展開される。物語の中では、僕ははみぐらる日差しの中でひたすらろうてんを食べていた。ろうてんは様々な過去が集まったものだ。ろうてんの味は絵画の骨折に似ていた。僕は、ろうてんを包む空間の膜が、濁って新し
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