昨/葉leaf
 
   あまよく ふさえて 和さたまし
  すらみゆく さ嬢には ふてつけ

次の日、訃報が届いた。友人が交通事故で死んだのだった。彼とは高校、大学と同級だった。同乗していた恋人の頭は真っ二つに割れていたらしい。緊張した弦が鳴るように、僕は母と会話した。彼は一度だけ母とおへよったことがある。僕は戦わずして勝ってしまった。しかも、その勝利を常に彼に捧げ続けなければならないのだった。

いさ    黒めて    くしゃむ   
 ぴす連しの    液楽をす    つや
みおけじ    機ど辺ど    やふご

家の外ではぼん風が音を立てて吹いていたが、その音の出所を見ることはできない。
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