昨/葉leaf
 
があるのだ。僕はますねほを誉める機会をうかがっていたのだが、結局誉める機会を逃してしまった。

ごゆ知しか
                わわたる
らぬりと
               水せ倫せ伝
うすまえてく

実家への帰り道、僕は子供の頃にますねほを割ってしまったことを思い出していた。ボールでぐしっていたとき、何かの弾みでボールがますねほを直撃したのだ。ますねほの中から光のように飛び散った青い液体が僕を恐れさせた。割れる音でも叱責の予測でも壊れた形体でもなく、液体の、世界を爆破するかのような充溢した青さが僕を恐れさせた。

    くばはるい 有空なる れんろう
  
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