昨/葉leaf
 
    くびする糸者
     冷れみて    児
かなさり住に
    おへよっておへよって
              らびが爺ね

東北新幹線の空洞を貫く抒情性を少しも吸収することができずに、僕は窓外の電線の滑らかな上下運動ばかりを新鮮に受け止めていた。缶売りの安物カクテルのプルタブの光だけが僕の興味を避け続けていた。

    犠はふ錯陽から
  せろゆてし   じゃん土 
    碑李家へと   よよぐ  糸者


福島駅に到着するまでには、僕の感情は、安らぎの期待による昂揚から無為によるざらつきへ、そこからさらにざらつきからの解放による慰撫とぬるさへと逆釣鐘
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