その墓には名前がなかった/soft_machine
女達はさかなを開く
きらきらと海に沈められる
内臓の輝き
私の中にあなたがいない事を占う
声なく垂れたクルスに問いかけても
さざめく雑草に
教会の影は突き刺さって
この静けさだけを保とうとしていた
私の中で娘は
羽根を持った姿で育まれる
追い抜き駆ける
日焼けした子どもたちが
肩に槍をからげ
背に弓をまわし
山の頂きに向かって
鳥を追いはやすその姿に
私は、全霊を込めて戦いを挑み
けれど結局は逃げ去るのだ
神の元へと
人間を棄てて
ただしく清められたひかりの中
その墓はには名前がなかった
名前を無くしたあなたは
私のな
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