特別な日/キヨカパパ
目的を思い出した
知らず力がこもったのか 母はすぐに目を覚ました
寝ぼけた顔に向かって 酷く冷静に私は言ったはずだ
―ハナ、死んだ
言葉にした途端 受け入れてしまった自分に気付いて 泣くことしか出来なくなった
首切りの儀式を見たその足で メインストリートのパブにステーキを食いに行く
―あれを見て 肉を食えなくなった奴がいる
そんな噂ひとつを超えるために 自己満足と少し甘めのビールに酔い痴れるために
灼熱の一歩手前の道を延々歩き 少女の尻に欲情する そんな愚か過ぎる男が私だった
なにか考えようにも 涙が思考まで流していく
お前を焼くであろう炎の向こうには 変わらず愚か
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