特別な日/キヨカパパ
 
 私は少し恥じた

最期のビール飲み終えると 私は静かに栞を挟み 本を閉じた
煙草の火を消し 注意深く煙が消えてゆく様を眺める
そうして最期にお前に触れる お前が逝ってしまったことは 触れた瞬間に解った
私の思考は氷止し 足が勝手に母の元へ向かっていた そうして母の腕を握った

じりじりと身を焼く炎の向こうで 泣きながら少女は座り込んでいる
一心不乱に祈りを捧げるサドゥーの横で 私は見え隠れする尻を眺める
と 少女は突然立ち上がり 無造作に布をたくし上げ 尻をぱんぱんと払った
顔を見るともう笑っている 視線の先には友達らしき少女 
夢から覚めたように 私は自分がここに来た目的
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