特別な日/キヨカパパ
が心地良いものであることは解った
打ち破るように突出した鐘が鳴る 祭壇に人が集まり始めたことで 儀式の開始を知る
少女は止め処なく涙を流しながら 見慣れた儀式などには興味も示さず 足をブラブラと揺らしていた
三本目のビールを取りに行きがてら お前の様子を見る
左眼が濁ってしまっている それでも触ると耳を動かしたから
今日も乗り切ってくれるだろうと 私は七時間後には始まる仕事のことを考えた
私がいない間も お前は息をしてくれているだろうか その不安を飲み干せない
山羊は最初だけ暴れた 祭司には似つかわしくない大柄な男が
馴れた動作でギロチンの型に嵌めると 諦めたように静かに
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