新川和江 ??〈永遠〉を志向する大きさ/岡部淳太郎
な詩行が顔を出す。この最後の詩行を言いたいがために、一行目から言葉が整えられているような感じがある。だからこそ、これは単なる詩をまとめるための綺麗な詩行などではありえないのだ。
{引用=波打際に
日にいちど わたしが
腰をおろしにくる岩がある
岩はいつからここに在るのか
たぶん 海と陸地が
分たれた日から
ここに 位置づけられていたのであろう
(中略)
わたしはひととき
ここで潮風を深く吸いこみ
少しばかり書物を読む
はたはたと頁(ページ)がめくれ
またたく間に 千年が過ぎてゆく日もある
次の日もきてわたしは又
さかしらに書物をひらくが
わたし
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