新川和江 ??〈永遠〉を志向する大きさ/岡部淳太郎
 
う。引用したのは詩の最終連であるが、ここでも「ふゆのさくら」と同じように最後の一行にすべてがかけられているような書き方が成されている。それまでの連では「わたしを束(たば)ねないで」「わたしを止(と)めないで」「わたしを注(つ)がないで」「わたしを名付けないで」と似たような言い回しの一行から始まってそこからの発想で言葉を繰り出していくという、言わばひとつの〈型〉をつくっておいて後はそのヴァリエーションを書き連ねるという書き方で通されている。だが、詩の最後に来て「川と同じに/はてしなく流れていく 拡がっていく 一行の詩」という詩のまとめであると同時に詩人の感性の本質を言い表すような詩
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