新川和江 ??〈永遠〉を志向する大きさ/岡部淳太郎
 
点から見ればどうしても外せない一行なのだろうと思う。


わたしを区切らないで
,(コンマ)や.(ピリオド)いくつかの段落
そしておしまいに「さようなら」があったりする手紙のようには
こまめにけりをつけないでください わたしは終りのない文章
川と同じに
はてしなく流れていく 拡がっていく 一行の詩

(「わたしを束ねないで」より。引用部分の二行目の「,」と「.」は、原典ではもっと行の真中あたりに置かれている)


 これも『比喩でなく』収録の、教科書にも採用されてあまりにも有名な一篇だが、これをフェミニズム的な解釈だけで読んでしまったらつまらないと思う。
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