新川和江 ??〈永遠〉を志向する大きさ/岡部淳太郎
うのが読者の務めであるだろう。そして、このような感性を持つ詩人であるからこそ、あの「土へのオード 13」『火へのオード 18』『水へのオード 16』のような一連の壮大なエレメントに関する詩群が生れたのであろう。
この小文で最初に書いた「女性詩人の詩を取り上げて論じることへの躊躇」に関してはひと言も触れられずに終りそうだが、詩人の仕事を再読しそれを少なからず分析出来たのは幸運なことであった。もとより、すぐれた詩人に女性も男性もない。こうした現世を離れたような特質を持つ詩人は、時代が新しくなるにつれて少なくなっているような気がする。この詩人はそれだけでも貴重な存在であるし、だからこそ詩人の詩はどこ
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