新川和江 ??〈永遠〉を志向する大きさ/岡部淳太郎
 
れたり、あるいは「わたしを束ねないで」のようにフェミニズム的に解釈されたりといったこともなく(それらが誤読だとは思わない。そういう側面もあったかもしれないが、そうした方向だけに読みが偏ってしまうのはつまらないというだけの話だ)、詩人の感性が剥き出しのままで無防備に立たされているような感じがする。書き出しの「波打際に/日にいちど わたしが/腰をおろしにくる岩がある」という場面設定は、それだけで〈永遠〉を予感させる。しかもその「岩」は「たぶん 海と陸地が/分たれた日から/ここに 位置づけられていた」のだ。「はたはたと頁(ページ)がめくれ/またたく間に 千年が過ぎてゆく日もある」という時間を超越し
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