続・風のうしろに風はない/佐々宝砂
id=11487
私は、「何故詩なんか書いてしまうんだろう」という文章に対して、どうしても二種類の文章で反論せねばならないと感じた。ひとつめは「凪の日」という詩に対する解釈の違いとしての異論であり、そちらは「風のうしろに風はない」としてすでに書いたが、別段激烈な反論ではない。「凪の日」にふさわしくまあ穏やかな異論・異見である。いとうさんの文章の中で賛同できる部分には「卓見」という言い方すらしている。詩を書く人間として、いとうさんの意見「詩人なんて、罪や業のかたまりでできている」にはうなずけないでもないのだ。しかし、詩を書く前に詩を読む人間であった私は、いとうさんの文章のあちこちに強い反撥を感
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)