たましいのともだち/モーヌ。
 
ている

ブルックス・ブラザーズ・スーツを 着た ウオシゲが

信号が 変わるのを 立ちどまって 待って いた

細長に 白鶴の 首を 伸ばして

かれは どこを 見ているのか...

ぼくの ほうを 見ているが ぼくが 見えていない ようだ

ぼくは かれを じっと 見る

たぶん それが 永いお別れだと 知っていた ゆえに...

まだ 下りの エスカレーターの 上に いた

信号が 変わった





ディミヌエンド

かたまりのような 人たちの なかに

ウオシゲは 消尽して いった

ある日 きみと 通り抜けて 酔っ払って しま
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