たましいのともだち/
モーヌ。
しまった
梅林の においが ぼくの 胸の内を
さくらいろに 吹きすぎて いった
あらゆるところにある 早春が
意味を 変じて めくる めいた
うわの空に むかって
ぼくは 地上に 降りて しまった
そこには 無機質な 人の 群れの
平面と 巨大と 量感が あり
暴発する うなりが 音も なく
蒸気して 動いて いる
また 見失って しまった
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